なにが幸せかって、犬も飼い主も健康であること。
それに尽きますか? |
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平和台公園は、宮崎の観光名所の一つである。
各地や外国からの観光客のルートでもお馴染みの場所だ。
ある日、イヴとナナを散歩されていると、団体客の中の婦人が言った。
「そら、お犬様のお通りよ。」と道を開けてくれた。
私もイヴもナナも笑って、このご婦人に感謝したのだ。
どうもありがとうございます。」 |
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とても元気いっぱいのラブに会った。
飼い主さんは、彼に引っ張られ通しだ。
立ち話の間も、その彼はあっちにこっちにと飼い主さんを翻弄する。
好き!と言った仕草で、私の腕に立ち上がったり・・・。
しかし、彼は、たらい回しにされた挙げ句、5件目を我が家とした犬だった。
気の遠くなるような期間、糞と尿にまみれたケージから出されもせず、虐待の限りを尽くされ、
最後は獣医さんの下にいた。
想像を絶するほどの数年間を、このラヴは生き抜いてきたのだ。
ようやく、彼にとって太陽の明かりが射す時が訪れる。
信頼すべき人間の登場だ。
すでに成犬となっていた彼を迎え入れたのは、勇気と愛を持ち合わせた人だった。
幸せを奪うのも人、幸せを与えるのも人。
今、彼は心をようやくのこと開いて、家族となった2匹のグレートデンと
幸せな生活を送ることになった。 |
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どうしてあなた達は目だけで心を表現できるの?
時には温かな、
時には悲しい、
時には苦しい、
時にはうれしい、
時には怒り。
どんな役者も、あなた達の表現力には負けてしまう。 |
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いつも人間の立場で犬を見ている。
でも犬の立場で私はどうなの?
私はいい飼い主かしら? |
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あなたの優しさが好き。
あなたのおっとりが好き。
あなたのぐうたらが好き。
あなたの人なつこさが好き。
あなたの愛が好き。
あなたの・・・・・。 |
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あなたのユーモアが好き。
あなたのおねだりが好き。
あなたのやんちゃが好き。
あなたの勇気が好き。
あなたの・・・・・。 |
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最近、お散歩ルートを変えて楽しんでいる。
そこは緑のトンネルをうねうねと辿る小さな森の中。
草木の匂い、花の匂い、苔の匂い、土の匂いで溢れている。
町中だけを散歩していたイヴとナナは、自然の匂いに魅了されているようだ。
少し遠くにある池の匂いさえ、イヴにとっては堪らない。
2匹の犬は興奮と共に先を急ぐ。
ひんやりとした空気の中、リードを引く私だけが汗をかいている。 |
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イヴは叔母が大好き。
遊びに来た叔母に、彼女は「ワン!」と吠えた。
叔母は何事かと椅子の上でびくりとする。
犬語の翻訳は私の役目。
イヴは叔母にソファーに座って、人間枕をしろと言っていたのだ。
叔母はいそいそとソファーに向かう。
イヴは満足気に叔母の膝に顔を埋める。 |
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寝るよ」と主人が声を掛ける。
イヴはさも億劫な様子で腰をあげる。
見れば、片方の後ろ足の具合が悪い。
俄に私たちの診断は始まる。
どこにも異常なし。
犬だって、痺れが切れるようだ。 |
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見上げると、さても満月の今宵。
ツンとすました淡いクリーム色のお月様は、オホホと笑う。
しかし、魅力的な夜の女王に向かって吠える犬の声は聞こえない。
彼女の地位も下がったのかしらん。 |
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