私は自分の写真を撮ることに関心がありません。
記録をとって、さて、どうするのか、みたいな気持ちがあります。
なんと言いましょうか。
死んだ後のことはどうにでもなれと思っている自分がいるのです。
だって、この世界はすでに死者となった私の関知するところではないのでしょうから。
それなのに、なぜ私はイヴとナナの姿を毎日のように記録に残そうとしているのでしょうか。
その理由がはっきりとは解らないのです。 |
|
マニュアル通りにうまく行くような犬って果たしているのかしら。
説明書片手に犬は躾られない。
犬の性格が千差万別であれば、飼い主の性格だって千差万別。
いい関係を見つけること、これは結構、難しい。
あれがダメなら、この方法。
足してダメなら、引き算を。
一方通行的なやり方は、人も犬も不幸だ。
人と犬の関係は、「手を繋いで結んで開いて」いきたい。 |
|
うちのイヴが五ヶ月くらいの時だったでしょうか?
川を見るなり、いきなり飛び込んだのでした。
天性のスイマーに感激したものです。
ところが、娘のナナは陸上では素晴らしいのに、
初めての水では溺れたようなバチャバチャ泳法。
ラブにも陸が得意な犬と水が得意な犬とがいるのかしらんと思うほどでした。
ところが、ナナは運動性能が良いせいでしょう。
見事に克服して、今ではイヴを遙かに越える水陸両用犬になりました。 |
|
イヴとナナがルール違反をすると、私はピシャリと言う。
冷静に言葉を発している・・・つもりだった。
ところがである。
自覚はしなかったけれど、実は怒鳴っているようなのだ。
外にいた私は、家の中から主人の出す声を聞いた。
これじゃ、まるでケンカしてるみたい。
じゃ、私もこんな声を?
ぞっとした後、赤面した。
しかし、忘れるのも早い私。
今日もボリュームは最大限?
|
|
いえ、べつに人間の話ではないのです。
ここはやはり犬の話にしておきます。
季節の変わり目に、犬は換毛の時期となります。
家の中で飼っていると、かなり大変です。
犬を飼う前だったら、考えられないことでした。
抜け毛が玉になって、床をころころと這うなんて。
掃除機の紙パックは、すぐにパンパンの状態です。
几帳面かつ清潔の塊だった私。
今では、犬の毛くらいでは死なないと思っています。
|
|
飼い主に犬は似るっていうじゃありませんか?
私はどちらなんでしょう? |
|
海を眺めるのが好きです。
自然が作る波の造形美に思わず見とれてしまいます。
しかし、海の近くに育った私なのに、どちらかと言えば脅威を感じていました。
波の音は今にも家を襲って来るかのように聞こえたのです。
とても眠りを誘う子守歌には聞こえませんでした。
そして、大人になってからも、夜の海にはなにかしら畏怖を覚えます。
強く魅了されつつも、決して踏み込むことは出来ない・・・、そんな思いです。
もし、私の愛する犬たちが夜の海に飛び込んだら、どうしましょう。
海の魔女に引き寄せられて行くような気がしてならないのです。
夏の夜、そんな気持ちで海を眺めました。 |
|
サルも木から落ちるかもしれません。
ですが、犬も棒にあたるのです。
これって、思い切り笑えます。
階段を踏み外したり、振り向きざまに壁に当たったりする愛しいイヴ。
笑ってごめんね。 |
|